トリに流れを変えられた…。交流戦が25日に各地で開幕し、阪神はロッテに逆転負けした。先発の西勇輝投手(30)が7回、代打で出場した鳥谷に右前適時打を浴びて1点差に迫られると、8回に救援した岩崎優投手(29)がマーティンに逆転2ランを浴びるなど3失点した。6回終了時にリードしていた試合は21連勝中だったが、4月2日以来、2度目の敗戦となった。
代打・鳥谷がコールされた瞬間、拍手が起こった。敵も味方もなかった。1―3の7回1死一、二塁。西勇の3球目のチェンジアップを捉えて右前適時打。一塁に達すると、再び拍手が降り注いだ。
「久しぶりの甲子園で、甲子園のファンの前で打つことができてよかった」
自身の持つ交流戦の歴代最多安打を「332」に更新。甲子園での安打は19年9月22日のDeNA戦以来611日ぶりだ。コロナ下で観衆7086人のスタンドが満席のような熱気に包まれた。今季初打点が劣勢の空気を一変させ、8回にマーティンの15号2ランなどで逆転勝利。「1点でも欲しい場面だったのでよかった」とうなずいた。
19年オフに事実上の戦力外通告で16年在籍した阪神を退団し、翌年の開幕直前の3月にロッテに移籍。2年ぶりの凱旋だった試合前は練習開始より1時間30分以上も早い午後2時過ぎにグラウンドに現れた。阪神のベンチ前で矢野監督、梅野、大山、近本らに笑顔であいさつ。「一緒にやった仲間なんで」。時間を早めたのは、なれ合う姿を今の同僚である若いロッテナインに見せないため。戦う男の気遣いだった。
昨年12月、18年目を迎える契約更改の席で「プロに入った時に40歳でショートを守りたいと思っていた」と言った。6月26日に40歳の誕生日。余分な糖分を摂らない肉体はプロ入り当時と変らない。何より若手が見本とする勝負に対する厳しい姿勢こそ、鳥谷の真骨頂だ。(君島 圭介)
○…阪神の開幕戦黒星スタートは18年のソフトバンク戦以来2シーズン(開催中止の20年を除く)ぶり。これまで3戦全勝だったロッテ相手の開幕では初の黒星となった。
○…2点リードの7回に鳥谷の適時打で1点差、8回にマーティンの逆転2ランを許した。今季6回終了時点でリードした試合で負けたのは4月2日の中日戦以来2度目。25勝2敗1分けで4月4日の中日戦からの連勝が21で止まった。
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阪神・矢野監督 ロッテ・鳥谷の「恩返しタイムリー」に流れ変えられ、交流戦初戦は逆転負け - スポーツニッポン新聞社
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