◆東京五輪 柔道女子78超キロ級決勝(30日・日本武道館)
女子78キロ超級で初出場の素根輝(あきら、21)=パーク24・日大1年=が金メダルに輝いた。決勝で2012年ロンドン五輪女王のイダリス・オルティス(キューバ)に延長の末、8分52秒で指導3による反則勝ち。この階級は04年アテネ五輪の塚田真希以来、4大会ぶりに優勝した。日本柔道は初日から男女通じて史上初の7日連続、最多9個目の金メダルを獲得した。その後、フェンシング男子エペ団体も優勝し、今大会での日本選手団の金メダルは1964年東京、04年アテネ大会の16個を抜き過去最多の17個となった。
福岡・南筑高の松尾浩一監督(48)は素根の規格外の強さに驚かされてきた。素根が高校2年の時に赴任した。土日を挟んで4月3日が初出勤だったが、同1日が全日本選抜体重別選手権。将来の教え子を会場に見にいくと、16歳の素根が優勝した。「高校生が出ること自体がすごい大会。勝って畳から立ち上がってくる時の顔がキラキラ輝いていた。指導者としてこんなすごい選手をちゃんと導けるのかな」と不安を覚えるほどの衝撃だった。
柔道界で伝説となっている大会がある。17年金鷲旗高校大会。決勝で南筑は夙川学院と対戦した。5人制の団体戦で、夙川は先鋒の阿部詩が4人抜き。追い込まれた南筑だったが、大将の素根が怒とうの5人抜きで逆転し、初優勝した。
大会前、素根は「何人残っても全部私が抜きます」と宣言していた。そのための追い込み方もすさまじかった。何度も熱中症寸前になり、松尾監督が止めて監督室に運び、うちわであおいで冷やした。「いくら超高校級がいても1人じゃ優勝できない」。そんな下馬評も聞こえていたが「私は絶対に優勝できると信じていた。漫画でも小説でも書かないレベル。それを現実で起こしたんです」。だからこそ、五輪金メダルの目標も成し遂げられると確信していた。(林 直史)
素根輝の恩師が明かす伝説…「漫画でも小説でも書かないレベル」の金鷲旗高校大会5人抜きV - スポーツ報知
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