印象戦略コンサルタントの乳原(うはら)佳代さんが、日本ハム新庄新監督の就任会見を分析した。赤いスーツに大きな襟。「ビッグボス」発言。衝撃の会見を専門家はどう見たか。

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新庄剛志自身がファッション-、とはいえ強烈なメッセージでした。特にシャツの襟はコメントの中身が入ってこないほどのインパクト。大きな襟やカフスは権威の象徴でもあって、英国貴族のイメージやジョン・トラボルタ的な遊び心も感じます。

そしてボルドーのジャケット。3ピースは彼の正統な美学と受け止めました。暖色は温かみがあり、チェック柄は人との距離感を近くします。楽しい会見を望んだのか、そのように分析できます。

サングラス姿に舌なめずり、左右に揺れる上半身。かかって来んかい的に記者を巻き込み、とにかく会見を楽しんでいる印象でした。発言に興奮や熱量があって、監督依頼を1秒で承諾したなど、喜びにあふれる無邪気さに、信頼や誠実さを感じさせられます。

ビッグボスという言葉もものすごく合っていると思いました。上から物言うだけではないリーダーシップ。温かなまなざしでの、新しい形を目指していることが伝わります。

野球ファンの中にも、会見での言動や姿が言語道断という人がいるでしょう。でもセ、パ、メジャーを経験したからこそ許されることもあると思います。ハラハラしながらも期待しているのが全て。球団の要望のうち、少なくとも「ファンサービスを通して喜びを届ける」部分は完璧です。