巨人原辰徳監督(64)が3年契約2年目となる来季も指揮を執ることが決まった。4日、都内の読売新聞東京本社で山口寿一オーナー(65)と会談。続投を要請され、受諾した。今季は68勝72敗3分けの4位に沈んだ。5月20日まで首位を走ったが夏場に失速し、優勝争いからも脱落。17年以来のBクラスで原政権では初めてCS進出を逃した。監督通算17年目となる来季は「強いチームをつくる」と勝利至上主義を強調。3年ぶりのV奪還へ挑む。

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原監督がリベンジを熱く、強く、誓った。山口オーナーへのシーズン報告の席で来季続投を“志願”した。「どこかで老け込みつつある私自身、逆にその悔しさというものが奮い立たせてくれた。このままで終わってたまるかと。新しい情熱というか、血液の中に燃えたぎるようなものが出てきたなというのが今シーズンでした」と紅潮させた。

2年連続で負け越し、4位に沈んだ。CS進出も逃した苦しいシーズンだった。同じ轍(てつ)は踏まないと来季への指針も明確に示した。同オーナーとの会話の中で「経営者と野球の世界は職業が、違うかもしれないけど、すごく勉強になりました。そんな中でまずは強いチームを作ると。強いチームを作るということが一番であると、そういうことです」と再確認した。

投打ともに底上げと強化が必須になる。課題は「すべてでしょうね」と即答。548得点、589失点で得失点差はマイナス41とかみ合わなかった。防御率3・69、打率2割4分2厘ともにリーグワーストで「数字は冷静に野球人としてみても、優勝できるチームではなかったと。真摯(しんし)に受け止めて対策を講じる」。

芽が出始めた若手の成長も悠長に構えてばかりはいられない。赤星、山崎伊、堀田ら若手8投手がプロ初勝利をマークしするも「階段には上らせたと思います。しかし、その階段を上っていかなければならない。正しい階段で上らせなきゃいけない」と来季以降が重要になる。「そこは見守る必要、育てる必要は逆に高いでしょうね」と言った。

強いチームとは、勝つチームという解釈なのか。「もう、そこだけだと思います」と原監督。監督として球団史上最長の17年目の来季は、何が何でも勝つ。【為田聡史】

○…巨人山口オーナーが続投要請までの経緯を説明した。「監督とはシーズンの終盤から何度か話をしてきた。監督は自分に慢心があったと。率直に反省をした上で、このままでは終われないと。監督の意欲を尊重して、立て直しを託そうと、続投を決め、先ほど確認をしてきたというところです」と明かした。今オフのFAを含む戦力補強は「どういうことになるかは今日の段階では言えないということですね」と話すにとどめた。9月に脳内出血で緊急入院した長嶋終身名誉監督の現状は「元気ですね。入院をしたので、体のあちこちを見ているというところですけども、大きな心配はない」とした。

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