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Sunday, October 16, 2022

J2甲府が天皇杯を初制覇!“アフロ”三平先制点から広島に終盤追いつかれるも…GK河田奮闘のPK戦決着! J1勢5連破で来季ACL初出場 | ゲキサカ - ゲキサカ

[10.16 天皇杯決勝 甲府 1-1(PK5-4)広島 日産ス]

 第102回天皇杯は16日、日産スタジアムで決勝を行った。J2のヴァンフォーレ甲府とJ1のサンフレッチェ広島の対戦は1-1の末、甲府がPK戦を5-4で制して初優勝。甲府は来季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)初出場が決まった。J2勢の優勝は2011年度のFC東京以来2度目となった。

 甲府は札幌、鳥栖、福岡、鹿島のJ1リーグ4クラブを打ち破り、初の決勝進出。クラブ初のビッグタイトルに王手をかけた。5-4-1の布陣でGKは河田晃兵で、3バックは左からDFエドゥアルド・マンシャ、DF浦上仁騎、DF須貝英大が並ぶ。左WBはMF荒木翔、右WBはDF関口正大、ボランチ2枚はMF山田陸とMF石川俊輝。2シャドーはMF鳥海芳樹とMF長谷川元希が入る。1トップはFW三平和司となった。

 広島は前身の東洋工業時代に3度の天皇杯優勝を果たすも、Jリーグ発足以降は5度の準優勝で頂点は未踏破。9年ぶり6度目の決勝で悲願の初優勝を狙う。3-4-2-1の布陣でGKは大迫敬介、3バックは左からDF佐々木翔、DF荒木隼人、DF塩谷司を起用。ボランチ2枚はMF川村拓夢とMF野津田岳人。左WBはMF柏好文、右WBはMF茶島雄介が入り、2シャドーはMF満田誠とMF森島司を置く。1トップはFWドウグラス・ヴィエイラが配置された。[両スタメン&布陣]

 広島は序盤からボールを持ち、攻撃を仕掛けるが、甲府の5バックに阻まれる。一方、甲府はロングパスで前線にボールを送り、中盤の山田と石川、2列目の鳥海と長谷川、そして最前線の三平との連携で敵陣に迫っていった。

 前半26分、甲府が最初のCKでトリックプレーを完遂させる。左CKは長谷川がショートコーナーで再開。山田のリターンを受けると、PA左にパスを出す。荒木翔が深い位置から中央に折り返すと、ニアサイドの三平が左足ワンタッチ。鮮やかな連係で広島のゴールネットを揺らした。

 0-1と先制を許した広島は、ボールを握りながら甲府の陣地に向かう。しかし、丁寧な攻撃は甲府の守備網に引っかかり、決定機を作れない。そのまま前半は同点に追いつくことができず、ハーフタイムで2枚替え。D・ヴィエイラと森島を下げ、FWナッシム・ベン・カリファとMFエゼキエウを投入した。

 攻勢を強めた広島だが、それでも甲府の堅い守備を突破できない。甲府は後半17分に交代カードを2枚切る。前線で体を張った三平と鳥海に代えて、MF松本凪生とFWウィリアン・リラを出場させる。同21分には荒木翔を下げ、DF野澤陸を入れた。

 均衡を打破できない広島は後半25分にさらに2枚替え。茶島と柏を下げ、DF野上結貴とMF松本泰志を投入した。直後にはFKのチャンス。野津田の左足キックから荒木がヘディングシュートを放つが、GK河田の正面に収まった。反撃を狙う甲府は29分、リラが単独カウンターから右足シュート。鋭い弾道はクロスバーを直撃した。

 広島は終盤にかけてベン・カリファ、エゼキエウ、満田に加えて野上、川村も攻撃に積極参加。後半34分にはPA手前のこぼれ球を野津田が左足シュートで合わせる。しかし渾身の弾道はゴール上に外れた。野津田は直後に途中交代となり、FWピエロス・ソティリウが入った。

 広島に停滞ムードが流れた後半40分、一瞬の隙から待望の同点ゴールを生み出す。エゼキエウが左サイドで関口と対峙。股下のパスをPA左に通すと、川村が反転しながら左足を一閃する。ゴールニアサイドを高めの弾道で打ち抜き、1-1と試合を振り出しに戻した。

 広島は直後のプレーでエゼキエウが負傷。しかし、90分間での交代カードを使い切っているため、エゼキエウは最前線で足を引きずりながらプレーを続行する。試合は90分間で決着がつかず、そのまま延長戦に突入。これにより交代カードが1枚追加されたため、エゼキエウに代わって途中出場のDF住吉ジェラニレショーンが3バックの一角に入り、塩谷が1トップに移動した。

 延長前半の開始早々、広島はPA左手前でFKを得る。キッカーは満田。右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅に向かうが、惜しくもクロスバー直撃。延長前半10分には満田が中盤から右足ミドルを放つ。低弾道のボールはGK河田の横っ飛びセーブに阻まれた。守勢に回る甲府は延長前半11分に長谷川を下げ、FWジェトゥリオを入れた。

 1-1のまま延長後半へ。両者足がつる選手も出る中、甲府は延長後半6分に最後の交代カードで浦上と山田を下げ、DFフォゲッチとDF山本英臣を入れる。直後には大ピンチの場面。野上のクロスから塩谷にPA中央からシュートを打たれる。しかし須貝が渾身のブロック。失点危機を乗り切った。

 延長後半10分、広島は最大の決定機を迎える。満田がPA手前から浮き球パスを敵陣へ。すると山本のハンドを誘発する。主審は広島にPKを与えると、キッカーは満田。だが、ゴール左隅のシュートはGK河田の横っ飛びにセーブされた。

 120分間でも勝敗は決まらずPK戦へ。先攻は広島。両者3人目までは決め切るが、広島は4人目の川村のシュートがGK河田にセーブされる。4人目まで決め切った甲府は、延長後半にPKを献上していた山本が最後に決め切り、試合終了。甲府が5-4で広島を下し、初優勝が決定。死闘を制し、クラブ初のビッグタイトルを手にした。

(取材・文 石川祐介)


●第102回天皇杯特集ページ

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