【アナハイム(米カリフォルニア州)18日(日本時間19日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、元祖二刀流のベーブ・ルースが成し遂げた伝説の記録に挑む。「2番DH」で出場したインディアンス戦は、第1打席に3試合連続本塁打となるメジャートップの14号ソロ。打点も33に伸ばし2位タイに浮上した。19日(同20日)は今季6度目の先発登板。ルースが1921年に成し遂げた「3戦連発翌日の勝利投手」という快挙を目指す。

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大谷が再び伝説に挑む。この日、3試合連続アーチで2位に2本差をつける今季14号を放った。勢いに乗ったまま、今日19日(日本時間20日)は先発登板。3戦連発を放った状態で先発マウンドに上がり勝利投手となった、1921年6月13日タイガース戦のベーブ・ルース(当時ヤンキース)の歴史的偉業に挑戦する。

“挑戦権”を得たのは1回1死の第1打席だ。右腕プリーサックの93・7マイル(約151キロ)の外角直球を捉え、中堅に運んだ。外角のベルトの高さは得意コース。メジャー61本塁打中、最も多い15本塁打を放っている。今季も同コースは11打数5安打で打率4割5分5厘、3本塁打。“大好物”をきっちり一振りで仕留めた。

打球速度111・9マイル(約180キロ)、飛距離は440フィート(約134メートル)。打った瞬間に柵越えを確信して歩き出す完璧な当たりで、中堅スタンドへたたき込んだ。3戦連発はメジャーで自身3度目。5点ビハインドの状況での1発にマドン監督も「チームを立ち直らせる手助けとなった。大きかった」とたたえた。

最近5戦で4発。脅威のシーズン55本ペース。今季6度目の先発へ打者で弾みをつけた。投打で同時出場するリアル二刀流について、同監督は「彼と話すまで確かなことは言えない」と明言しなかったが、打者でも出場となればバットにも期待がかかる。実は21年6月13日のベーブ・ルースは、勝利投手となっただけではなく、本塁打も放って4戦連発を果たしている。好調・大谷が、偉大な先人の背中を追う。

○…チームリーダー不在の状況で、打者大谷に期待が高まっている。この日、トラウトが右ふくらはぎ痛で復帰まで6~8週間と診断された。2番大谷とのコンビで打線の中軸を担っていた3番打者の長期離脱は痛手だ。得点力不足が懸念される中、大谷が1回にソロ本塁打で存在感を発揮。前日に引き続き、大谷の打席でファンから「MVP!MVP!」と期待する声も上がった。マドン監督は試合前、大谷の外野手起用を増やす可能性について「ないと思う」と話したが、打撃力の高い大谷は打線に不可欠な状況となっている。

▼大谷が3試合連続本塁打。大谷の3戦連発は18年の4月3~6日、9月4~7日以来、大リーグ3度目。日本人選手の3戦連発は最長タイで、他には04、07年に1度ずつマークした松井秀喜(ヤンキース)だけ。3戦連発を3度記録したのは大谷が初めてとなった。ちなみに、日本ハム時代にも3試合以上の連続本塁打が1度だけあり、16年に5試合連続本塁打を記録してる。