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Wednesday, June 16, 2021

大学スポーツ365日:「ポスト福島千里」元名選手との絆で成長 福岡大陸上部 - 毎日新聞 - 毎日新聞

福岡大陸上部の児玉芽生(手前)を指導する信岡沙希重コーチ。本音をぶつけ合う関係が成長を加速させた=福岡市城南区の福岡大陸上競技場で2021年3月3日、徳野仁子撮影
福岡大陸上部の児玉芽生(手前)を指導する信岡沙希重コーチ。本音をぶつけ合う関係が成長を加速させた=福岡市城南区の福岡大陸上競技場で2021年3月3日、徳野仁子撮影

 レース結果に号泣し、練習でも納得がいかなければ悔し涙に暮れる。陸上女子短距離で「ポスト福島千里」の期待を担う22歳のスプリンターは、一瞬の勝負に懸ける情熱にあふれている。福岡大陸上部4年、児玉芽生(めい)の成長の裏には、まっすぐな「陸上愛」を受け止める前日本記録保持者との絆があった。

 5月初旬、日本はポーランドであった世界リレーの女子400メートルリレーで4位に入り、2大会ぶり3回目の五輪切符を獲得した。その中心メンバーが、第2走者を務めた児玉だ。「目標を達成できて素直にうれしい」と笑顔で振り返った児玉は昨年、大きく飛躍した。女子100メートルで日本選手権を初制覇し、日本学生対校選手権(インカレ)では日本歴代3位の11秒35をマークした。現役屈指のスピードを磨いた原点は、生まれ育った九州にある。

 大分県臼杵市に生まれ、幼稚園の頃からかけっこでは男の子にも負けなかった。「普段はおとなしいのに、徒競走ではスイッチが入って跳ねるように駆けていた」。高校時代に100メートル障害で九州大会出場経験のある母親の小百合さん(45)は、当時を懐かしむ。姉の彩希(さき)さん(24)が陸上で表彰台に立つ姿を見て、「私も立ちたい」と小学3年から競技を始め、5、6年では全国大会の100メートルで優勝した。

 中学でも活躍し、名門・大分雄城台(おぎのだい)高でも陸上を続けたが、「小学校で満足して、陸上が好きではなくなっていた」という。それでも陸上から離れなかったのは、「大事なものだと思っていたし、応援してくれる親の喜ぶ顔を見ることがうれしかった。好きではなくても自信のあるものだった」。

「高校生気分」に喝

 高校3年になると、100メートルで安定して11秒台を出せるようになり、気持ちが上向いた。そして6月上旬、大分県高校総体の100メートルを大会新記録で制した時、転機が訪れた。

 「一緒に世界を目指したい」

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