6日に最終ラウンドが行われた女子ゴルフのメジャー、全米女子オープン選手権は、初優勝を果たした笹生優花選手(19)が畑岡奈紗選手(22)とプレーオフで争った。だが、白熱の展開は地上波で中継されず、ツイッターでは「見られないけど、気になってしょうがない」「何で地上波でやっていないの」と不満が渦巻いた。
中継は、有料BS放送のWOWOWとCS放送のゴルフネットワークのみだった。昨年まではテレビ東京が地上波で中継していたが、今大会は放送されなかった。テレビ東京は取材に「個別の番組の編成事情に関しては、お答えしておりません」と回答した。
あるゴルフ関係者は「オリンピックの放映権料が高騰した影響で、スポーツ界全体の放映権料も高くなった」と背景を説明する。ゴルフのメジャー大会の放映権料も高騰し、日本メディアが放映権を購入しなかった可能性を指摘する。そこに新型コロナウイルスの感染拡大でコマーシャルが減り、放送各社の台所事情が悪化したことも影響したと指摘。「テレビ局もコロナ下で経営が厳しくなり、引き金になったのではないか」と話す。
笹生選手が優勝争いをしている時点で、急きょ放送することはできなかったのか。スポーツビジネスに詳しい弁護士の松本泰介・早稲田大准教授によると、最近のスポーツ中継ではサッカー・Jリーグの有料配信サービス、DAZN(ダゾーン)など、独占放送契約が増えているという。
松本氏は「大会の主催者は元々、最終日だけの契約ではなく、大会を通じたパックの契約を求める。地上波のテレビ局が中継の契約をしなかった時点で、独占契約になっていた可能性がある」と指摘。「ゴルフは特に展開が読みにくいスポーツ。おいしいとこ取りはできないようにしている」と語った。
過去には2014年、テニスの全米オープン男子シングルスで錦織圭選手が日本人史上初の優勝を懸けた決勝で、NHKが前日に録画中継を決めたことがあった。国内で独占生中継していたWOWOWと交渉が成立し実現した。WOWOWにも一時前年同期比で約10倍の加入の問い合わせが殺到したという。【松本晃】
笹生が快挙のゴルフ全米女子オープン 地上波放送がなかった背景 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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