休場した大関貴景勝(24=常盤山)について、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が報道陣の電話取材に応じ「首にバチーンと電気が走り、今までにないような痛みが走ったとのこと」と説明した。貴景勝は名古屋場所3日目の6日、日本相撲協会に「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアによる神経根症により1カ月間の休養加療を要する」との診断書を提出して休場。再出場して勝ち越さなければ、9月の秋場所はかど番となる。

貴景勝は前日2日目の逸ノ城戦で、右四つに組み止められて力なく寄り切られると、土俵下で右肩付近を気にしながら、しばらく動けなくなる場面があった。若者頭に車いすに乗せられ、左手で右腕を押さえながら花道を引き揚げた。

常盤山親方によると、痛めたのは立ち合いで当たった瞬間。貴景勝が休場を申し出たのは、前日2日目の夜遅くだったという。「『相撲が取れません』と。貴景勝は頭で当たっていく相撲なので、いけないのは力を出せない。(現時点での治療期間は)どのくらい時間がかかるのか分からない」と説明した。

場所前の稽古では、予兆などはなかったという。前日2日目の夜に病院で診察し、MRIを撮って状態を確認。手術などの予定については「まだそこまでは分からない」とした。現在は首をなるべく動かさないように努め、部屋宿舎で休んでいるとした。

3日目の対戦相手、新小結の明生は不戦勝。今場所の十両以上の休場者は、新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で出場停止処分を受けた大関朝乃山ら5人となった(3日目から再出場の関脇高安を含む)。