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Thursday, September 23, 2021

那須川天心はなぜリスクをとってボクシング転向するのか… “井上尚弥の存在”とキックのルール変更が背景に?――2021上半期 BEST5(渋谷淳) - Number Web - ナンバー

2021年上半期(3月~8月)、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。ボクシング・格闘技部門の第1位は、こちら!(初公開日 2021年4月22日/肩書などはすべて当時)。

 キックボクシング界の若きスター、那須川天心がキックボクシングを引退し、ボクシングに転向すると宣言した。正確には2022年3月の試合を最後にキックボクサーとしての活動をやめて、以降はボクシングに専念するという。

 格闘技の“神童”とも称される22歳の那須川の決断はメディアやSNSで大きな話題となっている。那須川はボクシングでもスターになれるのか? その問いには正直なところ「分からない」としか言いようがない。たとえずば抜けた才能の持ち主でも、必ず結果が出るという保証はないのだ。これは歴史が証明している事実である。

天心にとってリスクのある“ボクシング転向”の決断

 そこで本稿ではデビューした後の話ではなく、那須川のような選手がなぜ生まれ、今回このような決断をしたのかに焦点を当てたい。既にキックボクシングでトップのポジションを獲得し、相応の評価を得ているのだから、ボクシング転向はかなりリスクがあるようにも思える。その背景にはいったい何があるのだろうか――。

 そうした疑問に答えようと、今回はとっておきの人物に登場してもらった。JB SPORTS BOXING GYMの山田武士トレーナーだ。山田トレーナーはボクシングの指導者として活動しながら、長年にわたりキックボクサーや総合格闘技選手の指導にもあたってきた。那須川やK-1王者からボクシングに転向した武居由樹が10代だったころ、彼らを指導した経験もある。ボクシング界の住人にして他のプロ格闘技にも詳しい稀有な存在と言えるだろう。

 そんな山田トレーナーが指摘する「背景」の1つがキックボクシングのルールの変化である。那須川や武居のようなボクシングでも十分に通用するであろうキックボクサーはキックのルール変更によって生まれたという。解説してもらおう。

【次ページ】 「キックボクシングがボクシングに近づいていった」

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