BIGBOSSこと日本ハム新庄剛志監督(49)がセンターにベンチ設置を“おねだり”していたことを11日、稲葉篤紀ゼネラルマネジャー(GM)が明かした。BIGBOSSは現役時代、ゴールデングラブ賞を10度受賞。中堅の定位置から味方全体を俯瞰(ふかん)していた。秋季キャンプ中も冗談交じりに「ベンチをセンターに置いてくれないかな」と要望。相棒の稲葉GMを仰天させた。

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斬新な冗談が、いかにもBIGBOSSらしかった。沖縄・国頭で秋季キャンプを視察中の日本ハム稲葉GMが、新庄BIGBOSSからの驚きの要望を明かした。「監督が常に(野球を)センターで見たいって。だから『ベンチをセンターに置いてくれないかな』って言っていた。冗談で」。打球が飛んで危険極まりないため、実現は不可能に近い。それでも練習中ならば、何か工夫は出来るかもしれない。

何故、BIGBOSSが、こんなことを言い出したのか。それは、守備を重視しているからだ。広い札幌ドームでは、1点が勝敗を決する。守備の動きや、打者の反応、すべてを俯瞰(ふかん)できる“ベストポジション”が、現役時代に慣れ親しんだ中堅というわけだ。東京五輪で侍ジャパン監督を務めた稲葉GMも、守備から攻撃につなげる野球を重視していたため「野球観に関しては、僕と一緒」と、うなずいた。

球団のレジェンド2人がタッグを組んで目指すのは、現役時代、日本ハムで築いた黄金期の再現だ。堅い守りと抜群の機動力を生かした“スモールベースボール”で「もう1度、ファイターズがそういうチームに(なれば)。そうすれば、長く強いチームを目指していける」(同GM)と、新体制の方向性を示した。

稲葉GMは、この日が秋季キャンプ視察最終日。新庄BIGBOSSは前日10日に、一足早く視察を終えた。理想像の完成に、センターのベンチ設置が必要ならば、一考の余地はあるかも!? 【中島宙恵】