滋賀県勢初のベスト4も「自分は秋のリベンジに燃えていました」
第94回選抜高校野球大会の準々決勝が28日、阪神甲子園球場で行われ、第2試合では代替出場の近江(滋賀)が6-1で金光大阪に快勝。昨夏の甲子園に続いて2季連続で4強入りを果たした。今大会は当初補欠校だったが、京都国際が選手ら多数の新型コロナウイルス感染により辞退したのを受けて代替出場。思わぬ形で巡ってきた舞台で頂点を目指し猛進している。
快進撃の要因は、主将・エース・4番を兼ねる山田陽翔(3年)の復活に尽きる。この日は9回を127球で8安打1失点に抑え、3試合連続の完投勝利を挙げた。プロも注目する右腕は昨夏も主力投手として4強進出に貢献したが、右肘を痛めて昨秋大会の登板を回避。チームは近畿大会準々決勝で、この日の対戦相手である金光大阪に6-7で惜敗した。山田は4番打者として出場していたがエース不在が響き、6-0とリードしながら逆転負けを喫したのだった。
滋賀県勢のベスト4は選抜大会史上初の快挙。だが、山田は「それより自分は秋のリベンジに燃えていました」と明かす。
山田のストロングポイントは投球だけではない。1点リードで迎えた7回の守備では、1死二、三塁で相手の9番・沢田がカウント1-0から、同点を狙いスクイズを敢行。山田は咄嗟に126キロのストレートを外角低めのボールゾーンに投じて空振りさせ、三塁走者をタッチアウトにした。
多賀監督「選抜に出られたら、全てお前で行くぞと言ってある」
「前夜に監督さんと、相手はスクイズのあるチームだという話をさせていただいていました。三塁走者を見ながら足を上げると、スタートを切るのが見えたので、咄嗟に低めのボールにしました」。高校生離れした観察眼、対応力でピンチを脱した。
30日の準決勝では、浦和学院(埼玉)と対戦する。山田は3月20日の長崎日大との1回戦で延長13回165球2失点完投。25日の聖光学院(福島)との2回戦でも9回87球で完投している。“故障明け”だけに疲労が懸念されるが「去年と比べると投球フォームを変えて、肩・肘への負担が軽減されています。これから投げていっても問題はないです」と言い切った。
多賀章仁監督は「山田には年明け最初の練習の時に、もし選抜に出られたら、5試合全ておまえで行くぞと言ってあります」と明かす。「山田の思いに他の選手たちが引っ張られている。私も山田は“持っている”と思います。選抜に出場できたのも、延長13回の初戦に勝てたのも、ここで金光大阪さんと再戦できたのも、そのお陰。次も乗っていきたいというのが、正直な私の思いです」と吐露した。山田の復活から始まった近江の快進撃は、同校初の全国制覇まで届くか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
【高校野球】監督も「彼は持っている」 代替出場・近江を4強に導いた“エースで4番”山田への思い - Au Webポータル
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