4大大会4度の優勝を誇る世界77位の大坂なおみ(24=フリー)が、優勝した21年全豪以来、約1年1カ月ぶりのツアー決勝進出だ。3連敗中で、同28位、東京五輪金メダルのベリンダ・ベンチッチ(スイス)に4-6、6-3、6-4のフルセットで逆転勝ち。決勝では、同2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)-同21位のジェシカ・ペグラ(米国)の勝者と対戦する。

大坂が、ついにベンチッチの壁を破った。2度目のマッチポイントで、ベンチッチのリターンを吹き飛ばすと、左手で力強くガッツポーズ。「最高の雰囲気」と、体全体で喜びを表した。ベンチに戻ると、「全豪以来の決勝よ。泣いちゃった」と、自然と涙がこぼれた。

それだけではない。ベンチッチとは、過去4戦して、勝ったのは13年ツアー下部大会での対戦だけ。世界1位だった19年でも、3度対戦して3連敗。大坂自身のパワーをカウンターで返球され、大の苦手としていた相手への勝利だ。

この日も、第1セットは、課題の第2サーブを狙われた。第2サーブで、ポイントを奪えたのは20%以下。集中的に圧力をかけられ、第1セットを先取された。しかし、「最後までファイトした」と、第2セットから、第2サーブの回転やコースを工夫。得点率を50%以上に上げ、逆転につなげた。

この1勝で、現在77位の世界ランキングも、4日に発表が予定されている最新世界ランキングで50位以内に復帰することが決定。母環さん、姉まりさんが見守る中、ついに大坂が世界の舞台へと戻ってくる。