エンゼルス大谷翔平投手(27)が右股関節の張りを訴え、2日(日本時間3日)のホワイトソックス戦のスタメンから外れた。前日1日(同2日)の同戦で「3番DH」で出場したが、7回に投ゴロを放ち、一塁へ走った際に急失速。同箇所の張りを訴えたため、9回の第5打席に代打を送られ、途中交代した。試合後には「今のところは明日は出るつもり」と話していたが、4月29日(日本時間同30日)のガーディアンズ戦に続き、今季2度目の先発落ちとなった。球場入りはした。

2日の同戦前にはフロスタッド・トレーナーが現状を説明した。負傷者リスト(IL)入りは否定した上で「本人は試合に出たいと言ったが、数日間は様子を見ることになった」と話した。マイナーからはレンヒーフォ内野手が招集され、緊急時に備えている様子をうかがわせた。マドン監督も「重症ではないと思っている。今後の様子を見たい」と同調した。

当初の予定では、3日(同4日)からのボストンでのレッドソックス3連戦で先発する予定だったが、難しい状況になった。二刀流の元祖ベーブ・ルースも立ったフェンウェイパークでの初登板となるはずだったが、持ち越されそうだ。

異変が起きたのは1日(同2日)のホワイトソックス戦だった。7回無死一、二塁。トップギアに入るはずだった大谷の俊足が、急激にスローダウンした。投ゴロを放ち、一塁へ向かう際、わずかながら顔をしかめた。途中から全力疾走できず、通常であれば際どいタイミングとなるところが、「投-遊-一」で簡単に併殺となった。その後、9回の第5打席では代打を送られて交代。1点差で逃げ切った後、いつもは真っ先に飛び出す勝利のハイタッチにも姿を見せないままだった。

途中交代した試合後の大谷は、クラブハウス内でシカゴ名物の分厚いピザをほお張りながらも、電気治療などで患部のケアを行った。その後、水原通訳を通して「大事をとって、ああいう展開(大量リード)だったので、トレーニングスタッフに言われて交代しましたが、今のところ明日(2日=日本時間3日)は出るつもりです」とコメント。同僚とジョークを交わしながらロッカー室内を歩き回るなど、軽症であることをうかがわせた。

試合前から前兆があった。ストレッチの際には、再三のように右股関節周辺を気にするしぐさを見せるなど、突発的なアクシデントではなく、以前から違和感を覚えていた可能性は高い。股関節の場合、投球、打撃、走塁とすべての動きで負荷がかかるだけでなく、1度悪化すると、回復までの期間が長期化する恐れもある。まずは完治させることが重要となってくる。