大相撲で6場所の出場停止処分を受け、大関から三段目まで番付を下げた朝乃山が、名古屋場所2日目の11日、およそ1年ぶりに本場所の土俵に復帰し、白星を挙げました。
朝乃山は、外出が禁止されている期間に接待を伴う飲食店に複数回出入りしたなどとして、去年の名古屋場所から6場所の出場停止などの処分を受けました。
出場停止が続いたことで朝乃山は去年の名古屋場所で大関から陥落し、さらに番付を三段目まで下げていました。
処分が明けた今場所は西の三段目22枚目で迎えて、11日の2日目に同じ三段目の剛士丸との対戦が組まれ、朝乃山はおよそ1年ぶりに本場所の土俵に復帰しました。
朝乃山は、対戦前の土俵下で館内の天井を見上げるなどして取組に備えました。
土俵に上がっての一番では、立ち合ってすぐに右を差したあと、前に出て相手を寄り切り、大関だった去年の夏場所以来の白星を挙げました。
朝乃山の復帰した一番に館内からは拍手がおくられていました。
朝乃山「許されるわけではないが 信用取り戻したい」
朝乃山は、出場停止処分を受けていた間の心境について「なぜ大相撲、プロの世界に入ったのか、なんのために大相撲に入ったのかに向き合って、1年間やってきた」と述べました。
そして「処分が出てからまだ先が見えない状態のときはつらかった。去年の8月に父を亡くして、気持ちがもっと落ち込んだとき、師匠が『もう1回、親のためにも頑張ろう』と、言ってくださった。それで、ちゃんと相撲と向き合えるようになった」と話しました。
朝乃山は、外出禁止期間中に接待を伴う飲食店に複数回出入りしたうえ、日本相撲協会の聞き取りに対しうそをつくなどしたとして、処分を受けましたが、それについて「うそをついたことで、日本相撲協会や部屋のみんな、ファンの皆さんには、応援してもらえないと思っていた。この1年間しっかり稽古をして、まだ許されるわけではないが、しっかり土俵の上で戦っていく姿を見てもらって、信用を取り戻したい」と決意を示しました。
高砂親方「頑張ってくれると思う」
朝乃山の師匠で元関脇 朝赤龍の高砂親方は「1年ぶりということで、ちょっとかたさもあったけれど、自分の相撲で勝ってくれた。ほっとしている。この一番を取って緊張もほぐれると思うし、次も頑張ってくれればと思う。1年間しっかり稽古はできた。復帰の土俵に立てた喜びもあるので、頑張ってくれると思う」と話していました。
朝乃山 番付の変遷
大関だった朝乃山は、去年の名古屋場所で2場所連続で負け越しとなって大関から陥落し、秋場所で関脇、九州場所で前頭10枚目となりました。
さらにことしの初場所では十両、春場所には幕下となり、復帰の場所となった今場所は西の三段目22枚目で迎えました。
大関から三段目以下に番付を落とした力士としては、照ノ富士がけがや病気のために休場が続き、大関から序二段まで番付を落とし、その後、2年余りをかけて横綱に昇進したケースがあります。
出場停止で大関から三段目に番付下げた朝乃山 本場所の土俵に - nhk.or.jp
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