東京五輪・パラリンピック組織委員会と政府、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の代表者は21日、開催が1カ月余りに迫る五輪の国内観客受け入れについて、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、全会場で上限を「定員の50%以内で1万人」とすることで合意した。
5者が共同声明で発表した。政府が示した国内イベント開催基準に則して決定した。東京都に発令中のまん延防止等重点措置の期限である7月11日の翌日の同12日以降に、緊急事態宣言やまん延防止措置が改めて発令された場合には、無観客を含めた対応を検討。感染や医療の状況に急激な変化が生じた場合には5者協議を開いて対応を協議する。
大会関係者や学校と連携して招かれる児童・生徒とその引率者らは上限の対象には入れない。上限設定に伴って入場が制限されるため、チケットは販売済みの分を再抽選して購入者を確定する方針だ。
協議には組織委の橋本聖子会長のほか、丸川珠代五輪相、小池百合子都知事、IOCのバッハ会長、IPCのパーソンズ会長が参加し、オンライン形式で開催した。
橋本氏は協議後の会見で、医療に極力支障をきたさないところまで体制が整ってきたとし、「オリンピックは舞台の骨格が完成した。大会に向けてオールジャパンで統一的なメッセージを出していく」と述べた。
武藤敏郎事務総長は、五輪のチケットについて現時点で約364万枚を販売しているが、再抽選により約272万枚に減るとの見通しを示した。パラリンピックについては別途取り扱いを決める。900億円を見込んでいた五輪のチケット収入は「おそらく半分を下回る」と述べた。
これまでの5者協議では、世界的なコロナ感染の収束が見通せないことから、海外観客受け入れを断念した。安全安心な大会の実現を目指す組織委などは15日、選手や大会関係者向けのプレーブック(行動規範)の最新版を公表し、コロナ検査を拒否するなど、違反者には罰則を科す方針を示している。
政府コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長らは18日、五輪開催について感染リスクが最も低い無観客開催が望ましいとする提言をまとめ、組織委などに提出した。観客を入れて実施する場合には、政府のイベント開催基準より厳しく制限することを求めた。
菅義偉偉首相は17日の会見で、大会期間中の観客数は政府基準の「上限1万人」を適用する考えを示していた。政府が設けた上限は緊急事態宣言やまん延防止措置の期間中は5000人以下だが、東京の重点措置が期限の7月11日で解除されれば1万人以下に緩和される。
東京都は20日で3回目の緊急事態宣言を解除し、まん延防止措置に移行したが、ここ数日の感染者数は下げ止まっている。菅首相は21日、都内の職域接種会場視察後記者団に、緊急事態宣言が発令された場合は国民の安全を優先し、「無観客も辞さない」と話した。
朝日新聞が19-20日に実施した世論調査によると、五輪については34%が「今夏に開催」(前回5月調査14%)、32%が「中止」(43%)、30%が「再延期」(40%)と回答、前回に比べ今夏開催支持が大幅に増えた。
(チケットに関して追加し更新します)
東京五輪の観客上限1万人で合意、感染状況で無観客も-5者協議 - ブルームバーグ
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