ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が、3年ぶりの満塁本塁打でチームの連敗を4で止めた。同点の6回1死満塁で、3号グランドスラム。昨季の沢村賞右腕、オリックス山本由伸にプロ初の屈辱を味わわせた。これでチームは、50年以降の2リーグ制導入後ではパ・リーグ最速となる通算5000勝に王手をかけた。

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打った瞬間に、確信した。柳田がバットを突き上げ、ゆっくりと歩き出す。「テラスにはいくかなと思った。当たって前に飛んだ瞬間に『あぁ、良かった』って」。白球は鷹党の歓喜とともに、左中間テラスへ。その瞬間、難攻不落の21年沢村賞右腕はがっくりとうなだれた。

3-3の6回1死満塁。カウント2-2から2球ファウルで粘り「本当にその執念が奇跡を呼んだ一打です」と、7球目の153キロ直球をとらえた。山本にとってはプロ初の満塁被弾で、7失点は自己ワーストという屈辱の一撃。さらに22試合連続のクオリティースタート(QS、6回以上、自責3以内)もストップさせ、昨季の沢村賞右腕をKOした。19年3月30日西武戦(ヤフオクドーム)以来、3年ぶりのグランドスラム。お立ち台では「打った瞬間に『神様ありがとう』と言いました」。天に向かって、何度も頭を下げた。

今季から新キャプテンに就任。「真面目に一生懸命やるだけ」と話すが、禁煙生活を決意した。効果はてきめんで、体重は昨季から約10キロの増量。スケールアップしたギータが、最高の一振りで試合を決めた。藤本監督も「大きいよね。ベンチでもすごく声を出してくれている。『こうせえ』『ああせえ』って言うキャプテンじゃないけど、やっぱり試合になったら声を出してくれる」と最敬礼だ。

これで、50年以降の2リーグ制導入後ではパ・リーグ最速となる通算5000勝に王手をかけた。昨季7戦6敗だった山本にも、今季は2戦2勝。ともに東京五輪で金メダルをつかんだ柳田は、そのすごみを熟知する。「いいピッチャーだし、『無理やろ、こんなん』と思いながらも、必死にやりました。今日は奇跡的に打てました」。謙虚に、快勝の余韻に浸った。【只松憲】

○…1番三森が今季初の猛打賞を記録した。1-1の4回2死一、三塁で、一時勝ち越しとなる中前適時打。3、6回にも右前打を放ち、オリックス山本から3安打を放った。「(今年)3本打ってないな、と思って。打てる時に打っておきたいと思っていた。続けていければいいなと思います」。打率はリーグ3位の3割2分4厘に上昇。6試合連続安打のリードオフマンが元気だ。

▽ソフトバンク石川(先発も5回途中3失点で降板)「自分の投球リズムでチームに流れを持ってこないといけなかった。それができないと、今日のような試合展開になってしまう。次に生かさないといけない」

▽ソフトバンク牧原大(4回2死一、二塁で右前適時打)「絶対に(3回の失策の)ミスを取り返そうと打席に向かいました。打席では、自分が打てるボールにスイングを仕掛けようと集中していました。追加点となるタイムリーを打つことができて良かったです」

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